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ソニーが危ない SONY 10年の天国と地獄

荻 正道 彩図社
文庫本がでたので、本屋さんで、パラパラと立ち読みしようと思って手にとったが、つい引き込まれて、買って読んでしまった。例によって、自分の気にいった箇所を気ままに取り出して書き出す。

本書を発表したのは、2003年4月のソニーショックから半年以上経過し、ようやく落ち着きを取り戻したソニーが「トランスインフォメーション60」なる経営改革を発表し、再生第1弾とも言われる新製品「PSX」が発表され、ソニー再生への期待が増していた時期であった。

そんなときに「ソニーショック」は一過性の不祥事ではなく、積年の構造的な問題が噴出したものとして強い危惧を表明したのが本書「ソニーが危ない」であり、当時は意外感を持って受けとめられたようである。

しかし、ソニーショックからわずか2年後の2005年三月CEOの出井伸之氏以下、経営陣の総退陣という事態が発生した。本書で述べている懸念が不幸にして的中したことになる。

第3章 技術遺伝子の破壊
*ここを読むと、松下電器とソニーという両雄相打つ戦いが意外と白熱していたことがわかった。
*ソニーはなぜ、ビデオカセットの戦いで、VHSに負けたのか。井深大氏の哲学が松下幸之助の哲学に負けたといえるのかもしれない。

*井深氏は、技術者魂からビデオカセットの小型サイズを最優先で求めたが、松下翁は「2時間録画というのは絶対にええ、お客さんにテープ代を節約してもらえるからな」

*松下の顧客向けの姿勢がアメリカのRCAをも動かし、VHSに勝利をもたらしたともいえる。出井氏は当時のビデオ事業部の責任者であった。

このトラウマが出井社長に、DVDの規格の統一の時に、社内論議に多くの時間をさかずに、大幅な譲歩案を示して、東芝方式に歩み寄るのだ。

しかし、このような姿勢は、孤立を恐れずに自社技術を突き詰めようとする、井深大氏以来のソニーの遺伝子を変質させることにつながる。
遺伝子を継承する社員達には大きな衝撃であり、裏切りですらあったであろう。

第4章 虚像のスター経営者
マネシタデンキになったソニー
ソニーにおいてはDVDは忘れられた商品になっていた。市場の流れを変えたのは、2001年に深刻な経営不振に見舞われた松下電器だった。中村邦夫氏の破壊と創造方針のもとに、死に物狂いのヒット商品づくりの流れにのって出てきたのがパナソニックの「ディーガ」シリーズである。松下電器の強さは、現実主義に徹する風土にある。またたくまに40%以上のシェアを奪ってしまう。

こんなことをするためにソニーに来たのではない、という技術社員の、井出氏への反発は社外にも聞こえるほどに強くなっている。

井深氏から流れ出る技術系の遺伝子こそソニーの最大の経営資源と考えるなら、その地下水脈を涸らせることは、ソニーの命取りになるはずである。

井深氏の不興を買ったウオークマン
ウオークマンは他のヒット商品とはことなり、なんら新しい技術を持たない。この製品はもともとは井深氏が個人用と限定して社内で作らせたものだった。商品にすることを聞かされた井深氏は、あきれてしまったと言われる。井深氏にとっては新商品とはなにか新しい技術を持っていなければならないものだった。

VAIOは「パソコン」ではなく、映像や音楽をユーザーが自在に楽しむギアとして創造されたのだ。しかしハードにはなんら独自の付加価値を持ち込んだ商品ではない。言うまでもなく、心臓部はマイクロソフトやインテルに占められ、当然ながら利益の薄い商品にならざるを得ない。このような技術の独自性を持たず、コンセプト力だけで勝負する行き方はウオークマン以来の盛田氏流のお家芸だと言える。

「ソニーショック」と引き金になったのが、世界的なパソコンの低価格化の波に乗り遅れ、大幅な販売減少に見舞われたVAIOによってであったことは、出井氏の経営戦略の弱みを象徴しているといえるだろう。

ハードという中身を伴わない商品に冠せられたブランドは、空洞化しやすいものである。

創られた「技術力」イメージ
ソニーの企業イメージから、技術に優れた会社というフレーズは不可欠である。しかし、技術を知るものなら誰でも、ソニーに圧倒的に優れた要素技術はないという。

博士の称号を持つ社員が何千人もいる日立などに比べ、ソニーは具体的な商品作りに熱心で、基礎技術は既存のものを探して使うことに長けているといわれる。

*ソニーの中には井深遺伝子と、盛田遺伝子があって、二つが戦っているのだろう。アメリカの映画会社なんか買収しないで、ものづくり徹していた方が会社としての安定には当然よかったことは明白である。しかし、長い歴史の中で大企業といえど、どこかで壁に突き当たらざるをえない。新しい血を入れて、苦境に陥ることも覚悟して、経営を行うこともまた意味のあることだろう。

*あたらしい英雄的経営者が現れて、新しいソニー神話を作り上げる時代がきっと来ると思わう。

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コメント

辛らつで申し訳ないが、評論家以下ですね。

飲み屋でうんちく垂れてるおっさんとかわりませんよ。

「あたらしい英雄的経営者が現れて、新しいソニー神話を作り上げる時代がきっと来ると思わう。」

これが結論ですか?


もう少し独自の切り口を持ってもらわないとgoogleのトップに載る意義がみられないですね。

投稿 | 2007年1月23日 (火) 23時14分

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