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最高裁 所得税と相続税の2重課税判決

最高裁 所得税と相続税の2重課税判決

7月6日の最高裁第3小法廷判決文が日本税政連機関紙に掲載されたので、何度も読んでみた。

高等裁判所の判決文では、
「相続税法第3条1項1号により相続等により取得したものとみなされる保険金とは保険金請求権を意味し、本件年金受給権はこれに当たるが、本件年金は、本件年金に基づいて発生する支分権に基づいて上告人が受け取った現金であり、本件年金受給権とは法的に異なるものであるから、上記の保険金に当たらず、所得税法第9条15号所定の非課税所得に当たらない」 とされている。

年金受給権は相続税の対象となるが、毎年の年金は支分権に基づいて受取った現金であり、法的には別物であるから所得税の対象ともなるとの主張である。

法的な性格では 別物かどうかは法律の専門家ではないのでわからないが、経済的には、年金をもらう権利というのは一つしかないのだから、素朴に考えて別物だとするこの主張にはうなずけない。

最高裁判所の判決文では、「しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由とは、次のとおりである」としてかなり長い理由が記載されている。

この判決によって 今後、相続で取得したとみなされた年金を実際に保険会社から収入した相続人等は、源泉所得税が課されているので、確定申告をして還付を受けなければならない。

最高裁判所の判決文では、相続税の課税価格となった定期金の額と、実際の年金の受給額との差額は運用益であると言っているので、この運用益の部分は、たぶん雑所得として所得税が課されるのかもしれない。

こんな 短い条文「相続または遺贈又は個人からの贈与により取得するもの」というはっきりした条文を、いざ 現実の経済的事実に当てはめようとしたときには、裁判官の間でも、解釈が分かれるのだから、税法というのは一筋縄ではいかないと深く感じた。

練馬の税理士姫野重雄

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